世界一愛してる

いつもの様に4人でお昼ご飯を食べていると、【ヤス】が声をかけてきた。

 

ヤスとは亀井泰樹というシンヤ達と仲がいい、少しロン毛な男の子。

 

4人でいない時などはよくシンヤとカズヤとヤスと…3〜4人で戯れている。

 

 

 

「へ〜、これがうわさの美砂ちゃんかぁ!」

 

「うわさ?」
噂って何だろう…。

 

「そう!シンヤの奴会うたんび…ってか毎日ノロケ始めるからさぁ〜!!」

 

「お、おい!!!ヤス、テメェ!」
シンヤは照れ隠しの為かヤスを追い掛ける。

 

 

「いいなぁ〜!!チカもカズヤに毎日ノロケられたぁ〜い!!」

 

「あれ?毎日っていつ会ってるの?」
だって学校がある日はいつも一緒なのに。

 

シンヤは腕でヤスの首を締めながら言う。
「えっとなー、……っ!」

 

ヤスがシンヤの横腹をコショぐるので話は途切れてしまった。

 

 

 

 

 

「まったく…。俺らほぼ毎晩走ってんだよ。」
あきれたようにカズヤが話す。

 

 

「走ってるって?」

 

「あれ?美砂はシンヤから聞いてないのぉ??」

 

「50人くらいでバイク走らせてるんだ。シンヤは、その族のリーダー。」

 

いわゆる暴走族みたいなものだ。

 

「そうなんだ…。」

 

 

 

 

シンヤから何も聞いてない。

 

 

なんで言ってくれなかったの?

 

 

美砂に言ってもしょうがない?

 

 

 

 

 

ちょっとした事でいちいち言ってたら切りがないよね…。

 

でも、美砂には全部話して欲しかったんだよ。

 

「…さ、み〜さ!!どうしたの?さっきから考え込んで。」

 

「美砂…、シンヤの全部知ってたいの!なんで、族に入ってるとか…、しかもその族のリーダーとか教えてくれないの?!!」

 

「…何度も言おうとしたんだ。でも美砂に嫌われるかも…って思うと言えなかった、ってのが本音かな…。」

 

「美砂がそんな事で嫌になるとでも思ったの?!!」

 

「…。」

 

「…だからね、これからは全部話して欲しい。お願い…。」

 

「うん。ごめんね。」

 

 

 

1つの族のリーダーが頭を下げる事は、とっても凄いコト。

 

でも美砂にとっては違う。

 

一人の彼氏が一人の愛する彼女に謝る事は、とっても愛されている証拠。

 

きっと、とっても幸せなコトだと思う。

 

 

 

美砂はシンヤを世界一愛してます。