とまらぬ愛

出て行こうとする美砂の手をつかんでシンヤが言う。

 

 

「違う!!」

 

「何が??!美砂に隠し事しないって言ったじゃん!嘘つきぃ…。全部話してよぉ…グズッ。」

 

 

震える声。しおれてく体。とまらない涙。

 

 

シンヤが大好きって事と、カホへの嫉妬、《裏切り》の文字が頭の中を埋めつくす。

 

 

 

「美砂…!」

 

恐る恐る美砂に触れようとする。

 

 

「嫌!!…なんで??美砂はこんなにもシンヤを愛してるのに…。本当はカホの事忘れられないくせに!!美砂なんか見てないんだっ!ぅわぁぁん!!」

 

「違う!!俺は本当に美砂を愛してる!!」

 

 

 

 

美砂はシンヤの言葉なんて聞いてなかった。

 

美砂は独り言のように呟く。

 

「…あはは。何やってんだろぉ…。問い詰めても…『違う』とかしか言ってくれないのに…。……くるしぃ…よぉ…。つら…ぃ…。」

 

 

「美砂!!」

 

 

ビクッ
「…何よぉ……。」

 

「まだ…隠し事してたのは謝る…ごめん。これが最後の隠し事なんだ…。全部話すから。俺美砂が好きだから。嫌われたくない…。」

 

 

 

さっきまで殴り合ってた総長が、まるで別人の様にしおれてく。

 

「…本当に美砂を愛してる?」

 

「うん!」

 

「カホって子見てない?」

 

「今は、カホじゃなくて美砂を見てる。美砂を…美砂自身を愛してる!」

 

「シンヤのバカぁ…。」

 

 

 

 

美砂はシンヤが大好きで大好きでしょうがない。

 

 

こんなに人を愛せるなんて思ってもみなかった…。

 

 

 

 

 

 

 

その日、初めてシンヤと愛し合った。